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EEG2023シンポジウムを振り返って

澁谷 徹 会員(会計幹事)から

前回のシンポジウム、大きな興味を持って参加させていただきました。栗本一樹先生(奈良医大)のご講演は、生殖細胞の基幹細胞である始原生殖細胞(PGC)周辺の発生における、エピジェネティック制御の関して最新の知見を伺うことが出来ました。ただ私は最近話題になっている、継世代エピジェネティックス遺伝(TEI)をどのようにお考えになられているのかを先生に伺いたいと思いました。権藤洋一先生(東海大医)のご講演では、先生の九州大学以来のテーマを現在でも追いかけられておられることに大きな感銘を受けました。先生には突然変異の形成過程でもあるDNAの修復過程とエピジェネティック形成過程について、どのように考えてゆけばよいのかを伺いたいと思いました。会員発表の金田正弘会員(東京農工大)の「ウシのインプリンティング遺伝子の探索」は長年の地道な研究ですが、ウシのインプリンティング遺伝子の制御は産業動物であるウシにおいては重要な仕事だと感じました。また大塚悟史会員(東京大学)の発表は、これからエピジェネティック毒性学を推進するためのエピジェネティクス誘発物質の検索には欠かせないもので、今後の発展を大いに期待いたします。EEGの活動は、現在のところ年2回のシンポジウムしかありません。日頃から会員からの希望する講師の先生方のリストアップおよび会員からの発表出来る成果の発掘などを行ってゆくことが大事だと考えています。

木村―黒田 純子 会員から

春と秋のシンポジウム、どちらも、どの講師の先生方のご講演は大変、興味深い内容でした。

 貴重なシンポジウムを開催して頂き、感謝しております。

 春のシンポでは、胎芽期・胎児期・新生児期におけるエピゲノムの最新情報についてでした。> 澁谷先生のカネミ油症の実際例もとても重要な内容だと思いました。ヒトでの事例はほとんどないので、今後の進展に期待します。

 またレトロトランスポゾンの、DNAメチル化に関する話題も大変興味深い内容でした。

 秋のシンポでは、生殖細胞のエピゲノムについての話題、それからiGEM

 assayを用いた化学物質のDNAメチル化調節活性評価が大変興味深い内容でした。

 全体的なことで気になっているのは、農薬や化学物質のリスク評価で、エピジェネティクスへの影響が日本でも世界でも入っていないことです。

 海外では入っているでしょうか。その点、ご存じでしたらおしえてください。

 農薬については、現在再評価が始まっていますが、その中でどれだけエピジェネティクスへの影響が検討されるかわかりません。

 とくに農薬については、食品安全委員会のリスク評価の審議は原則非公開です。

 農薬再評価では、公表文献が資料として使用されますが、論文の収集ばかりでなく、論文の選択、評価までが利益相反のある農薬メーカーに任されています。

 農水省は公表文献のガイドラインに沿ってやれば、誰がやっても同じと主張していますが、実際に公開された農薬再評価の公表文献報告書では、不適切な事例がありました。

 昨年はその点について、あれこれ奔走して忙しくしておりました。

その点につき、日本内分泌撹乱物質学会のニュースレターに記事を書き、公開したので、資料を添付させて頂きます。

>

> GL準拠OECDガイドラインに沿った農薬の毒性試験は重要ですが、新しい毒性の概念として農薬やプラスチックに含まれる環境ホルモンによる、エピゲノム変異について、しっかりとリスク評価を実施して欲しいと思っています。

>

> 次世代、継世代影響も懸念されるエピゲノムへの影響は、まだわからないことも多々ありますが、慎重に審議されることが必要だと思っています。

春秋のシンポでそれぞれの先生方のご講演はとても勉強になり、良い機会を頂き、有り難うございました。

事務局 堀谷 幸治 から

2023年のEEGネットシンポジウムは生殖細胞を軸とした環境エピジェネティクスが大きなテーマだったと思います。生殖細胞におけるダイナミックなリプログラミングの仕組みについて、その基礎研究のフロントランナーでいらっしゃる山口新平・栗本一基両先生、金田正弘会員を招くことができました。そのキーとなるゲノムインプリンティングという哺乳類特異的なエピジェネティック制御など大変興味深いご講演とご3方を交えた討議ができたことは意義深いことだったと思います。そして、その解明にキメラ胚を用いたり特殊なマーカーを入れたり様々なアイデアと技術の積み重ねをされていることに感銘を受けました。

また、秦 健一郎先生と権藤 洋一先生からは、臨床でのヒトと動物実験におけるゲノム変異とエピゲノム変異とが相互に影響を及ぼし、様々な疾患や異常あるいは進化となって現れることが示され、見落としがちな大切なポイントを指摘していただけたと思います。

野原恵子会員からは環境化学物質によるヒ素による継世代エピジェネティック遺伝(TEI)に関してのものでしたが、私にとってもTEI機構解明は最も関心をよせるところであり、上記のような視点を含めてまた引き続きディスカッションしていければと思いました。

また、大塚 悟史会員の化学物質のエピ変異活性評価の試験法開発はEEGの取り組むべきもう一つの大きな柱であり、エピジェネティック解析に重要なツールとなることが期待されました。

そして、どちらのシンポジウムにつきましてもこれで終わりでなく、次のステップへフォローアップできるような環境を作っていきたいと強く感じています。シンポジスト、ご参加の皆様本当にありがとうございました。

EEG2023シンポジウムを振り返って

澁谷 徹 会員(会計幹事)から

前回のシンポジウム、大きな興味を持って参加させていただきました。栗本一樹先生(奈良医大)のご講演は、生殖細胞の基幹細胞である始原生殖細胞(PGC)周辺の発生における、エピジェネティック制御の関して最新の知見を伺うことが出来ました。ただ私は最近話題になっている、継世代エピジェネティックス遺伝(TEI)をどのようにお考えになられているのかを先生に伺いたいと思いました。権藤洋一先生(東海大医)のご講演では、先生の九州大学以来のテーマを現在でも追いかけられておられることに大きな感銘を受けました。先生には突然変異の形成過程でもあるDNAの修復過程とエピジェネティック形成過程について、どのように考えてゆけばよいのかを伺いたいと思いました。会員発表の金田正弘会員(東京農工大)の「ウシのインプリンティング遺伝子の探索」は長年の地道な研究ですが、ウシのインプリンティング遺伝子の制御は産業動物であるウシにおいては重要な仕事だと感じました。また大塚悟史会員(東京大学)の発表は、これからエピジェネティック毒性学を推進するためのエピジェネティクス誘発物質の検索には欠かせないもので、今後の発展を大いに期待いたします。EEGの活動は、現在のところ年2回のシンポジウムしかありません。日頃から会員からの希望する講師の先生方のリストアップおよび会員からの発表出来る成果の発掘などを行ってゆくことが大事だと考えています。

木村―黒田 純子 会員から

春と秋のシンポジウム、どちらも、どの講師の先生方のご講演は大変、興味深い内容でした。

 貴重なシンポジウムを開催して頂き、感謝しております。

 春のシンポでは、胎芽期・胎児期・新生児期におけるエピゲノムの最新情報についてでした。> 澁谷先生のカネミ油症の実際例もとても重要な内容だと思いました。ヒトでの事例はほとんどないので、今後の進展に期待します。

 またレトロトランスポゾンの、DNAメチル化に関する話題も大変興味深い内容でした。

 秋のシンポでは、生殖細胞のエピゲノムについての話題、それからiGEM

 assayを用いた化学物質のDNAメチル化調節活性評価が大変興味深い内容でした。

 全体的なことで気になっているのは、農薬や化学物質のリスク評価で、エピジェネティクスへの影響が日本でも世界でも入っていないことです。

 海外では入っているでしょうか。その点、ご存じでしたらおしえてください。

 農薬については、現在再評価が始まっていますが、その中でどれだけエピジェネティクスへの影響が検討されるかわかりません。

 とくに農薬については、食品安全委員会のリスク評価の審議は原則非公開です。

 農薬再評価では、公表文献が資料として使用されますが、論文の収集ばかりでなく、論文の選択、評価までが利益相反のある農薬メーカーに任されています。

 農水省は公表文献のガイドラインに沿ってやれば、誰がやっても同じと主張していますが、実際に公開された農薬再評価の公表文献報告書では、不適切な事例がありました。

 昨年はその点について、あれこれ奔走して忙しくしておりました。

その点につき、日本内分泌撹乱物質学会のニュースレターに記事を書き、公開したので、資料を添付させて頂きます。

>

> GL準拠OECDガイドラインに沿った農薬の毒性試験は重要ですが、新しい毒性の概念として農薬やプラスチックに含まれる環境ホルモンによる、エピゲノム変異について、しっかりとリスク評価を実施して欲しいと思っています。

>

> 次世代、継世代影響も懸念されるエピゲノムへの影響は、まだわからないことも多々ありますが、慎重に審議されることが必要だと思っています。

春秋のシンポでそれぞれの先生方のご講演はとても勉強になり、良い機会を頂き、有り難うございました。

事務局 堀谷 幸治 から

2023年のEEGネットシンポジウムは生殖細胞を軸とした環境エピジェネティクスが大きなテーマだったと思います。生殖細胞におけるダイナミックなリプログラミングの仕組みについて、その基礎研究のフロントランナーでいらっしゃる山口新平・栗本一基両先生、金田正弘会員を招くことができました。そのキーとなるゲノムインプリンティングという哺乳類特異的なエピジェネティック制御など大変興味深いご講演とご3方を交えた討議ができたことは意義深いことだったと思います。そして、その解明にキメラ胚を用いたり特殊なマーカーを入れたり様々なアイデアと技術の積み重ねをされていることに感銘を受けました。

また、秦 健一郎先生と権藤 洋一先生からは、臨床でのヒトと動物実験におけるゲノム変異とエピゲノム変異とが相互に影響を及ぼし、様々な疾患や異常あるいは進化となって現れることが示され、見落としがちな大切なポイントを指摘していただけたと思います。

野原恵子会員からは環境化学物質によるヒ素による継世代エピジェネティック遺伝(TEI)に関してのものでしたが、私にとってもTEI機構解明は最も関心をよせるところであり、上記のような視点を含めてまた引き続きディスカッションしていければと思いました。

また、大塚 悟史会員の化学物質のエピ変異活性評価の試験法開発はEEGの取り組むべきもう一つの大きな柱であり、エピジェネティック解析に重要なツールとなることが期待されました。

そして、どちらのシンポジウムにつきましてもこれで終わりでなく、次のステップへフォローアップできるような環境を作っていきたいと強く感じています。シンポジスト、ご参加の皆様本当にありがとうございました。

EEG2023シンポジウムを振り返って

澁谷 徹 会員(会計幹事)から

前回のシンポジウム、大きな興味を持って参加させていただきました。栗本一樹先生(奈良医大)のご講演は、生殖細胞の基幹細胞である始原生殖細胞(PGC)周辺の発生における、エピジェネティック制御の関して最新の知見を伺うことが出来ました。ただ私は最近話題になっている、継世代エピジェネティックス遺伝(TEI)をどのようにお考えになられているのかを先生に伺いたいと思いました。権藤洋一先生(東海大医)のご講演では、先生の九州大学以来のテーマを現在でも追いかけられておられることに大きな感銘を受けました。先生には突然変異の形成過程でもあるDNAの修復過程とエピジェネティック形成過程について、どのように考えてゆけばよいのかを伺いたいと思いました。会員発表の金田正弘会員(東京農工大)の「ウシのインプリンティング遺伝子の探索」は長年の地道な研究ですが、ウシのインプリンティング遺伝子の制御は産業動物であるウシにおいては重要な仕事だと感じました。また大塚悟史会員(東京大学)の発表は、これからエピジェネティック毒性学を推進するためのエピジェネティクス誘発物質の検索には欠かせないもので、今後の発展を大いに期待いたします。EEGの活動は、現在のところ年2回のシンポジウムしかありません。日頃から会員からの希望する講師の先生方のリストアップおよび会員からの発表出来る成果の発掘などを行ってゆくことが大事だと考えています。

木村―黒田 純子 会員から

春と秋のシンポジウム、どちらも、どの講師の先生方のご講演は大変、興味深い内容でした。

 貴重なシンポジウムを開催して頂き、感謝しております。

 春のシンポでは、胎芽期・胎児期・新生児期におけるエピゲノムの最新情報についてでした。> 澁谷先生のカネミ油症の実際例もとても重要な内容だと思いました。ヒトでの事例はほとんどないので、今後の進展に期待します。

 またレトロトランスポゾンの、DNAメチル化に関する話題も大変興味深い内容でした。

 秋のシンポでは、生殖細胞のエピゲノムについての話題、それからiGEM

 assayを用いた化学物質のDNAメチル化調節活性評価が大変興味深い内容でした。

 全体的なことで気になっているのは、農薬や化学物質のリスク評価で、エピジェネティクスへの影響が日本でも世界でも入っていないことです。

 海外では入っているでしょうか。その点、ご存じでしたらおしえてください。

 農薬については、現在再評価が始まっていますが、その中でどれだけエピジェネティクスへの影響が検討されるかわかりません。

 とくに農薬については、食品安全委員会のリスク評価の審議は原則非公開です。

 農薬再評価では、公表文献が資料として使用されますが、論文の収集ばかりでなく、論文の選択、評価までが利益相反のある農薬メーカーに任されています。

 農水省は公表文献のガイドラインに沿ってやれば、誰がやっても同じと主張していますが、実際に公開された農薬再評価の公表文献報告書では、不適切な事例がありました。

 昨年はその点について、あれこれ奔走して忙しくしておりました。

その点につき、日本内分泌撹乱物質学会のニュースレターに記事を書き、公開したので、資料を添付させて頂きます。

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> GL準拠OECDガイドラインに沿った農薬の毒性試験は重要ですが、新しい毒性の概念として農薬やプラスチックに含まれる環境ホルモンによる、エピゲノム変異について、しっかりとリスク評価を実施して欲しいと思っています。

>

> 次世代、継世代影響も懸念されるエピゲノムへの影響は、まだわからないことも多々ありますが、慎重に審議されることが必要だと思っています。

春秋のシンポでそれぞれの先生方のご講演はとても勉強になり、良い機会を頂き、有り難うございました。

事務局 堀谷 幸治 から

2023年のEEGネットシンポジウムは生殖細胞を軸とした環境エピジェネティクスが大きなテーマだったと思います。生殖細胞におけるダイナミックなリプログラミングの仕組みについて、その基礎研究のフロントランナーでいらっしゃる山口新平・栗本一基両先生、金田正弘会員を招くことができました。そのキーとなるゲノムインプリンティングという哺乳類特異的なエピジェネティック制御など大変興味深いご講演とご3方を交えた討議ができたことは意義深いことだったと思います。そして、その解明にキメラ胚を用いたり特殊なマーカーを入れたり様々なアイデアと技術の積み重ねをされていることに感銘を受けました。

また、秦 健一郎先生と権藤 洋一先生からは、臨床でのヒトと動物実験におけるゲノム変異とエピゲノム変異とが相互に影響を及ぼし、様々な疾患や異常あるいは進化となって現れることが示され、見落としがちな大切なポイントを指摘していただけたと思います。

野原恵子会員からは環境化学物質によるヒ素による継世代エピジェネティック遺伝(TEI)に関してのものでしたが、私にとってもTEI機構解明は最も関心をよせるところであり、上記のような視点を含めてまた引き続きディスカッションしていければと思いました。

また、大塚 悟史会員の化学物質のエピ変異活性評価の試験法開発はEEGの取り組むべきもう一つの大きな柱であり、エピジェネティック解析に重要なツールとなることが期待されました。

そして、どちらのシンポジウムにつきましてもこれで終わりでなく、次のステップへフォローアップできるような環境を作っていきたいと強く感じています。シンポジスト、ご参加の皆様本当にありがとうございました。

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